「30回押したっけ?2回だっけ?」
「AEDの手順が混乱する…」そんな悩みを持つ看護学生は多いはずです。
BLS(Basic Life Support:一次救命処置)は必修問題の定番テーマであり、数字・手順・順番の3点が毎年のように問われます。
この記事を読めば、以下のことが整理できます。
- BLSの正確な手順と覚えるべき数値
- 国家試験で狙われる「ひっかけパターン」3つ
- 臨床でそのまま使える実践的なイメージ
8割以上を確実に取るために、一緒に整理していきましょう!
一次救命処置(BLS)の基本を整理
BLSとは、心停止・呼吸停止が疑われる傷病者に対して、医療資器材がなくても誰でも実施できる救命処置のことです。
日本蘇生協議会(JRC)ガイドライン2020に準拠した内容が国家試験でも出題基準となっています。
医療者によるBLSは「医療用BLS」と呼ばれ、一般市民が行うものよりも精度と速度が求められます。
BLSの手順フロー
①安全確認
↓
②反応(意識)の確認
↓
③助けを呼ぶ・119番通報・AED手配
↓
④呼吸の確認(10秒以内)
↓
⑤胸骨圧迫30回 ← ここが最頻出!
↓
⑥人工呼吸2回
↓
⑦以降30:2を繰り返す
↓
⑧AED到着後すぐに使用
まず胸骨圧迫を開始することが最優先です。人工呼吸より先に胸骨圧迫を行う点は必ず覚えてください。
絶対に覚える数値一覧
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 胸骨圧迫の深さ(成人) | 5〜6cm |
| 胸骨圧迫の速さ | 100〜120回/分 |
| 胸骨圧迫:人工呼吸の比率 | 30:2 |
| 呼吸確認にかける時間 | 10秒以内 |
| 人工呼吸の1回換気時間 | 約1秒かけてゆっくり |
| 小児の圧迫深さ | 胸の厚さの約1/3 |
| 乳児の圧迫部位 | 乳頭連結線のすぐ下(胸骨下半部) |
※JRCガイドライン2020に基づきます。
圧迫部位はどこ?
成人の胸骨圧迫は胸骨の下半部(胸の真ん中よりやや下)が正しい部位です。
「剣状突起には当てない」ことも試験で問われます。

国家試験で狙われる「3つの鉄板ポイント」
POINT1:数字の「以上・未満・以内」の入れ替えに注意!
最もよく出るひっかけパターンが「数字の改変」です。
例:胸骨圧迫の深さに関する選択肢
| 選択肢(例) | 正誤 |
|---|---|
| 少なくとも5cm沈む深さで行う | ✅ 正しい(5〜6cmのため) |
| 3〜4cmの深さで行う | ❌ 誤り(浅すぎる) |
| 7cm以上沈める | ❌ 誤り(深すぎて肋骨骨折のリスク) |
例:胸骨圧迫の速さに関する選択肢
| 選択肢(例) | 正誤 |
|---|---|
| 100〜120回/分 | ✅ 正しい |
| 60〜80回/分 | ❌ 誤り(遅すぎる) |
| 80〜100回/分 | ❌ 誤り(下限が違う) |
「少なくとも5cm」「100〜120回」の2つの数字セットをセットで覚える!
POINT2:語呂合わせで「30:2」と速さを一発暗記!
「30:2」の比率の語呂合わせ
🔤「さんじゅう(30)おして、に(2)かい吹く」
100〜120回/分の語呂合わせ
🔤「ひゃくから ひゃくにじゅう(100〜120)、メトロノームのテンポで押せ!」
実際には「Stayin’ Alive(ビージーズ)」のリズム(約100bpm)が胸骨圧迫の速さに近いとされており、現場でも覚え方として使われています。
AEDの使用手順の語呂合わせ
🔤「電(電源ON)パ(パッドを貼る)解(解析ボタン)放(放電・ショック)」
POINT3:「一次救命処置」と「二次救命処置(ALS)」の違いを整理
試験では「BLSでできること・できないこと」が混同されやすいです。
| 項目 | BLS(一次救命処置) | ALS(二次救命処置) |
|---|---|---|
| 実施者 | 誰でも可(一般市民含む) | 医師・医療資格者 |
| 気道確保 | 頭部後屈顎先挙上 | 気管挿管 |
| 薬剤投与 | なし | アドレナリン等 |
| AED使用 | 可(一般市民も可) | 手動除細動器も使用 |
| モニタリング | なし | 心電図モニター等 |
AED(自動体外式除細動器)はBLSの範囲内!一般市民でも使用できます。これは頻出です。
また「人工呼吸が実施できない場合は胸骨圧迫のみでも可」というのも2020年ガイドラインのポイントです。感染リスクを避けるためにハンズオンリーCPRが認められています。
実習や臨床での活用シーン
院内での急変対応
病院内での急変では、看護師が最初に発見するケースが非常に多いです。
「呼吸なし・反応なし」を確認したら、すぐに応援要請・コードブルー(緊急コール)をかけながら胸骨圧迫を開始します。
実習中に「急変シミュレーション」を経験する機会があれば、次の点を必ず意識してください。
- 反応の確認は肩をたたきながら大声で呼びかける
- 呼吸確認は「見て・聞いて・感じて」ではなく、胸の動きを見る(10秒以内)
- 迷ったら「正常な呼吸でない=心停止として扱う」
AEDの設置場所と日常点検
臨床現場ではAEDの設置場所と作動確認(日常点検)も看護師の業務のひとつです。
「AEDのバッテリー残量・パッドの使用期限」の確認は定期的に行われており、国試でも「使用前確認」として出題されることがあります。
小児・乳児への対応の違い
小児領域の実習や病棟では、小児BLSの知識も必要です。
| 対象 | 圧迫方法 | 圧迫深さ |
|---|---|---|
| 成人 | 両手で胸骨下半部 | 5〜6cm |
| 小児(1歳〜思春期) | 片手または両手 | 胸の厚さの約1/3 |
| 乳児(1歳未満) | 2本指(または両母指輪状圧迫) | 胸の厚さの約1/3 |
【1分チェック】必修過去問に挑戦!
問題:第112回看護師国家試験 必修問題 午前
成人への一次救命処置における胸骨圧迫の速さはどれか。
- 60〜80回/分
- 80〜100回/分
- 100〜120回/分
- 120〜140回/分
正解:3番(100〜120回/分)
解説:
- 選択肢1(60〜80回):遅すぎます。心臓への有効な血流が維持できません。
- 選択肢2(80〜100回):上限の100回は合っていますが、下限が80回と誤りです。この選択肢はひっかけとして非常によく出ます。「80〜」と「100〜」の2択に迷った場合、JRCガイドライン2020の正式な記載は「100〜120回/分」であることを思い出してください。
- 選択肢3(100〜120回):正解です。JRCガイドライン2020に準拠した正しい数値です。
- 選択肢4(120〜140回):速すぎます。圧迫後の胸郭の十分な戻りが得られなくなり、かえって心拍出量が低下します。
🔑 「100〜120回」はセットで覚える。上限の120を超えるとガイドライン逸脱!
まとめ
BLSで絶対に忘れてはいけない数値・ポイントを最終確認しましょう。
- 胸骨圧迫の深さ:5〜6cm(成人)
- 胸骨圧迫の速さ:100〜120回/分
- 胸骨圧迫:人工呼吸=30:2
- 呼吸確認は10秒以内
- まず胸骨圧迫→その後人工呼吸の順
- AEDは一般市民でも使用可=BLSの範囲内
- 人工呼吸ができない場合は胸骨圧迫のみでも可
- 小児・乳児の圧迫深さは「胸の厚さの約1/3」
BLSは手順と数字の組み合わせ問題が多いため、フローチャートと数字表をセットで覚えるのが最短ルートです。語呂合わせや「Stayin’ Alive」のリズムを活用して、体で覚えてしまいましょう!


