誤薬防止

医療安全・事故防止
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「6Rって全部言えますか?」

「ひっかけ問題でうっかり間違えた…」そんな経験はありませんか?

誤薬防止は、看護師国家試験の必修問題で繰り返し出題される最重要テーマのひとつです。

覚えることが多くて整理できていない方も、この記事を読めば以下のことがわかるようになります。

  • 誤薬防止の6R(ライト・シックス)の完全な内容と覚え方
  • 国試で狙われる「ひっかけパターン」3選
  • 実習・臨床現場でどう活かすか
  • 過去問の解き方と解説

誤薬防止の基本を整理

誤薬とは、投薬の過程で何らかのエラーが生じ、患者に意図しない薬剤・用量・方法で投与されることを指します。

厚生労働省の医療事故情報収集等事業によると、薬剤に関するインシデントは医療事故全体の中でも上位を占める重大なリスクです。

そのため、看護師国家試験においても「どうすれば防げるか」という視点で出題されます。

誤薬防止の基本「6R(ろくアール)」

投薬時に確認すべき6つの正しさを「6R(ろくアール)」と呼びます。

国試では「何項目あるか」「それぞれの内容は何か」が問われます。

No.英語日本語確認内容の例
1Right Patient正しい患者氏名・ID・リストバンドで2つ以上の方法で確認
2Right Drug正しい薬剤薬剤名・成分名を確認、類似名薬剤に注意
3Right Dose正しい用量単位(mg・mL・μg)と数値を正確に確認
4Right Time正しい時間投与時間・食前・食後・就寝前などの指示を確認
5Right Route正しい投与経路経口・静脈内・筋肉内・皮下・外用などを確認
6Right Purpose正しい目的なぜこの薬剤が必要かを理解した上で投与

※テキストによっては「Right Documentation(正しい記録)」を加えた7Rとして掲載しているものもあります。

国試では「6R」が基本ですが、施設によっては7R・8Rを採用していることも覚えておきましょう。

なぜ「6R」が重要なのか

「指示通りに渡せばいい」と思いがちですが、投薬エラーは処方→調剤→投与→記録のどの段階でも起こり得ます。

看護師は最後の「投与」段階に関わるため、患者への直接的な被害を防ぐ最後の砦としての責任があります。

投薬の5段階プロセスと確認のタイミング

処方(医師)
↓
調剤(薬剤師)
↓
払い出し
↓
投与準備(看護師) ←ここで6R確認
↓
投与(看護師) ←ここで6R確認

「3回確認」 も重要なポイントです。

タイミング確認の場面
第1回薬剤を取り出すとき
第2回薬剤を準備するとき(アンプルカット・分包開封など)
第3回投与直前・投与後の空アンプルや包装を戻すとき

国家試験で狙われる「3つの鉄板ポイント」

POINT 1:「6Rの項目数・内容」がそのまま問われる

国試でもっとも多い出題パターンは、6Rの項目を1つ入れ替えた選択肢です。

よくあるひっかけ例

  • 「正しい目的(Right Purpose)」→「正しい記録(Right Documentation)」と入れ替え
  • 「正しい患者(Right Patient)」→「正しい医師(Right Doctor)」と入れ替え
  • 「正しい投与経路(Right Route)」→「正しい投与速度(Right Rate)」と入れ替え

Right Rateは6Rに含まれませんが、静脈内注射では非常に重要なため、「7番目のR」として臨床では意識されています。

試験では「6Rに含まれるか」という視点で問われることを覚えておきましょう。

POINT 2:「6R」の語呂合わせで完全暗記

6Rの語呂合わせ

「患者・薬・量・時間・経路・目的」→「か・や・り・じ・け・も」

かやりじけも」と唱えながら指折り確認する方法がおすすめです。

語呂R内容
(患者)Right Patient正しい患者
(薬)Right Drug正しい薬剤
(量)Right Dose正しい用量
(時間)Right Time正しい時間
(経路)Right Route正しい投与経路
(目的)Right Purpose正しい目的

試験前夜に10回唱えるだけで、本番でスラスラ書けるようになります。

POINT 3:「3確認」と「6R」を混同しない

国試では「確認の回数」と「確認の内容」がセットで問われることがあります。

用語内容
3回確認薬を取り出す・準備する・投与直前(または後)のタイミング3回
6R確認確認すべき「正しさ」の項目6項目

よくある誤答パターン

  • 「3Rを確認する」→ 誤り(3回確認と6Rは別の概念)
  • 「投与後だけ確認すればよい」→ 誤り(3つのタイミング全てで確認が必要)

また、患者確認では「氏名をフルネームで患者本人に名乗ってもらう」ことが原則です。

「ベッドのネームプレートだけで確認する」は誤りなので注意しましょう。

実習や臨床での活用シーン

与薬時の実際の確認場面

実習では、指導者から「今何を確認しましたか?」と問われることがあります。

そのとき「6Rを確認しました」とすぐに答えられるかどうかが、実習評価にも直結します。

具体的な場面例は以下の2通りです。

内服薬の配薬時
  1. 患者に氏名をフルネームで名乗ってもらう(Right Patient)
  2. 処方箋と薬剤の薬品名・規格を照合(Right Drug)
  3. 錠数・単位を指差し確認(Right Dose)
  4. 「朝食後」など時間指示を声出し確認(Right Time)
  5. 経口投与であることを確認(Right Route)
  6. 処方の目的を指導者に説明できるようにする(Right Purpose)
注射薬の投与時

注射薬は特に投与経路(Right Route)の誤りが重大な事故につながります。

投与経路リスク例
静脈内注射(IV)経口薬を誤って静注 → 重大な副作用
筋肉内注射(IM)神経・血管損傷のリスクがある部位に誤注射
硬膜外投与脊髄損傷のリスク;専用ラインと明示することが必須

ハイアラートドラッグへの注意

ハイアラート薬(高警戒薬)」とは、投与量・経路を誤ると重篤な健康被害をもたらすリスクが高い薬剤群です。

代表的なハイアラート薬
  • インスリン製剤
  • ヘパリン(抗凝固薬)
  • 濃厚電解質製剤(KCl注射液など)
  • 抗がん剤
  • オピオイド鎮痛薬

これらは特別なダブルチェック体制(2名以上の看護師による確認)が推奨されています。

【1分チェック】必修過去問に挑戦!

問題:第110回看護師国家試験 必修問題(AM)

与薬時の誤薬防止のために確認する「6R」に含まれるのはどれか。

  1. 正しい看護師
  2. 正しい投与速度
  3. 正しい目的
  4. 正しい保管方法

正解:3番(正しい目的)

解説:

選択肢1「正しい看護師」 → 誤り。6Rに「誰が投与したか」という概念はありません。「Right Patient(正しい患者)」と混同しやすいので注意。

選択肢2「正しい投与速度(Right Rate)」 → 誤り。臨床では重要ですが、標準的な6Rには含まれません。「7番目のR」として追加されることがある項目です。「速度」という言葉がつくと正解のように見えますが、設問は「6Rに含まれるもの」なので不正解。

選択肢3「正しい目的(Right Purpose)」正解。6Rの6番目の項目です。「なぜこの薬が必要か」を理解して投与することが求められます。

選択肢4「正しい保管方法」 → 誤り。保管は薬剤師・病棟管理の範疇であり、投与時の6R確認項目ではありません。

選択肢2の「投与速度」は臨床で本当に重要なため正解に見えやすいです。「6Rの正式な6項目」を確実に暗記していれば、迷わず切り捨てられます。

まとめ

誤薬防止のために、以下のポイントを必ず覚えておきましょう。

  • 6R(シックス・ライト) = 正しい患者・薬剤・用量・時間・投与経路・目的の6項目
  • 語呂合わせ:「か・や・り・じ・け・も」 で6項目を即座に言えるようにする
  • 3回確認(取り出す・準備する・投与直前または後)と6Rは別の概念
  • Right Rate(投与速度)は6Rに含まれないが臨床では重要
  • 患者確認はフルネームで本人に名乗ってもらうが原則
  • インスリン・ヘパリンなどハイアラート薬はダブルチェック必須
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