「体温・脈拍・血圧・呼吸数の数値が多くて覚えられない…」
「選択肢のひっかけが怖い」と感じている方は多いのではないでしょうか。
バイタルサインの基準値は、必修問題で毎年のように出題される超頻出テーマです。しっかり整理すれば確実に正答できる”得点源”でもあります。
この記事を読めば、
- 4つのバイタルサイン(体温・脈拍・血圧・呼吸数)の正常値が一覧で整理できる
- SpO₂・意識レベル(JCS/GCS) など関連指標もセットで押さえられる
- 年齢別の違いや「境界値のひっかけ」対策まで身につく
国試の必修問題は80問中64問以上(8割)の正答が足切り回避の条件。
バイタル関連だけで複数問出題されるため、ここを固めることは直接点数につながります。
バイタルサイン基準値の基本を整理
バイタルサイン(vital signs)とは、生命の維持に不可欠な生理的指標の総称です。
看護師が最も頻繁に行うアセスメントであり、患者の状態変化をいち早く察知するための基本情報となります。
国試で問われる主なバイタルサインは以下の4つ+αです。
① 成人の基準値一覧
| バイタルサイン | 正常範囲 | 異常の名称 |
|---|---|---|
| 体温 | 36.0~37.0℃(腋窩) | 37.5℃以上:発熱 / 35.0℃未満:低体温 |
| 脈拍 | 60~100回/分 | 100超:頻脈 / 60未満:徐脈 |
| 血圧(収縮期/拡張期) | 収縮期 120mmHg未満 拡張期 80mmHg未満 | 収縮期 140以上 or 拡張期 90以上:高血圧 |
| 呼吸数 | 12~20回/分 | 20超:頻呼吸 / 12未満:徐呼吸 |
| SpO₂(酸素飽和度) | 96~100% | 95%以下:要注意 / 90%以下:呼吸不全 |
【体温の測定部位による違い】
腋窩温(わきの下)が最もよく使われます。直腸温は腋窩温より約0.5℃高く、口腔温はその中間です。
② 年齢別バイタルサインの違い
乳幼児は代謝が活発なため体温が高めで、心拍数・呼吸数は多めです。成長とともに成人値に近づいていきます。
| 年齢区分 | 脈拍(回/分) | 呼吸数(回/分) | 収縮期血圧(mmHg)の目安 |
|---|---|---|---|
| 新生児(0~28日) | 120~160 | 40~50 | 60~90 |
| 乳児(1ヶ月~1歳) | 110~130 | 30~40 | 80~100 |
| 幼児(1~6歳) | 90~120 | 20~30 | 90~110 |
| 学童(6~12歳) | 80~100 | 18~22 | 100~120 |
| 成人(18歳~) | 60~100 | 12~20 | 120未満 |
| 高齢者(65歳~) | 60~100 | 12~20 | やや高め(基準は成人と同様) |
③ 血圧の分類
| 分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | |
|---|---|---|---|
| 正常血圧 | 120未満 | かつ | 80未満 |
| 正常高値血圧 | 120~129 | かつ | 80未満 |
| 高値血圧 | 130~139 | または | 80~89 |
| Ⅰ度高血圧 | 140~159 | または | 90~99 |
| Ⅱ度高血圧 | 160~179 | または | 100~109 |
| Ⅲ度高血圧 | 180以上 | または | 110以上 |
| 低血圧 | 90未満 | — | — |
国家試験で狙われる「3つの鉄板ポイント」
POINT1:「以上・以下・超・未満」の境界値ひっかけ
国試の必修問題では、境界値の数字そのものを変えずに「以上」「未満」を逆にするひっかけが頻出です。
例)脈拍の設問
- 正しい記述:「成人の脈拍の正常値は 60~100回/分 である」
- ひっかけ選択肢①:「正常値は 50~90回/分 である」(数値をずらす)
- ひっかけ選択肢②:「100回/分以上を徐脈という」(頻脈と徐脈を逆にする)
- ひっかけ選択肢③:「60回/分未満を頻脈という」(同上)
- 頻脈 = 100回/分を超える(100は正常範囲内)
- 徐脈 = 60回/分未満(60は正常範囲内)
「以上・以下」「超・未満」で境界の数字が含まれるかどうかが変わります。選択肢を読むとき、必ずこの言葉に注目してください。
POINT2:語呂合わせで数値を一発暗記!
覚えにくい数値は語呂合わせで定着させましょう。
脈拍「60~100」の覚え方
「ろく(6)じゅう(10)とび越す(0)と頻脈」 → 60未満で徐脈、100を超えたら頻脈
体温「発熱は37.5℃以上」の覚え方
「な(7)にご(5)しても熱い → 37.5℃」 → 37.5℃以上を発熱の目安として覚える
呼吸数「12~20回/分」の覚え方
「ひと(1)に(2)、はつか(20)まで正常呼吸」 → 12未満が徐呼吸、20超えが頻呼吸
高血圧の境界「140/90」の覚え方
「いし(14)くれ(0)ば(9)く、0(れる)→ 140/90」 → 収縮期140以上 or 拡張期90以上で高血圧Ⅰ度
POINT3:間違いやすい「発熱」「微熱」「高熱」の定義比較
体温に関する用語の定義は特に混同しやすいため、整理して覚えましょう。
| 用語 | 腋窩温の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 低体温 | 35.0℃未満 | 35℃を下回ると生命の危険 |
| 正常体温 | 36.0~37.0℃ | 個人差あり・測定部位で異なる |
| 微熱 | 37.0~37.9℃ | 明確な定義は文献により差あり |
| 発熱 | 37.5℃以上 | 国試では37.5℃以上を発熱と扱う |
| 高熱 | 38.5℃以上 | 40℃以上は超高熱 |
「微熱」の定義に注意!
教科書によって「37.0℃以上」「37.5℃以上」と記載が異なる場合があります。国試では「発熱 = 37.5℃以上」を基本として押さえておきましょう。
実習や臨床での活用シーン
バイタルサインの基準値は、暗記するだけでなく臨床場面のどこで使うのかを知ることで記憶に定着しやすくなります。
報告・申し送りの場面(SBAR)
実習中、看護師へ報告する際はSBAR(Situation・Background・Assessment・Recommendation)の形式を使います。
このとき「体温38.2℃、脈拍110回/分」という数値だけでなく、「発熱あり・頻脈あり → 感染徴候の可能性」とアセスメントを加えることが求められます。
基準値を知っているからこそ、異常に「気づける」のです。
バイタルチェックの優先順位づけ
術後患者や急変リスクのある患者では、SpO₂の低下(94%以下)や血圧の急激な低下(収縮期90mmHg未満)は即座に報告が必要なサインです。
ルーティンのバイタル測定でも、基準値から逸脱している数値をスルーしないことが患者安全の基本です。
小児患者のアセスメント
小児では成人の基準値をそのまま当てはめてはいけません。
2歳の子どもが脈拍100回/分でも、それは正常範囲内です。
年齢別の基準値を頭に入れておくことが適切なアセスメントにつながります。
【1分チェック】必修過去問に挑戦!
問題:第112回看護師国家試験 必修問題(午前)
成人の安静時における正常な脈拍数はどれか。
- 40~60回/分
- 60~100回/分
- 100~120回/分
- 120~140回/分
正解:2番(60~100回/分)
- 選択肢1(40~60回) → 60未満は「徐脈」の範囲。スポーツ選手などに見られることがあるが、正常範囲の下限は60回/分です。
- 選択肢2(60~100回) → 正解。成人の安静時の正常脈拍数は60~100回/分と定義されています。
- 選択肢3(100~120回) → 100回/分を超えると「頻脈」となります。選択肢3・4はいずれも頻脈の範囲です。
- 選択肢4(120~140回) → 同様に頻脈の範囲です。乳幼児の正常値と混同しないよう注意が必要です。
乳幼児の脈拍(100~130回/分前後)と成人の頻脈(100回超)の範囲が重なるため、「成人の正常値」と「小児の正常値」を混同させる選択肢が出ることがあります。
問題文の対象年齢を必ず確認しましょう。
まとめ
国試必修で絶対に押さえるべきバイタルサイン基準値を最終確認しましょう。
- 体温: 腋窩温 36.0~37.0℃ が正常 / 37.5℃以上で発熱 / 35.0℃未満で低体温
- 脈拍: 60~100回/分 が正常 / 100超で頻脈 / 60未満で徐脈
- 血圧: 収縮期 120mmHg未満 かつ 拡張期 80mmHg未満 が正常 / 140/90以上で高血圧Ⅰ度 / 収縮期90未満で低血圧
- 呼吸数: 12~20回/分 が正常 / 20超で頻呼吸 / 12未満で徐呼吸
- SpO₂: 96~100% が正常 / 95%以下で要注意 / 90%以下で呼吸不全
- 小児の脈拍・呼吸数は成人より多い(新生児の脈拍は120~160回/分)
- 「以上・未満」「頻脈・徐脈」の定義の逆転ひっかけに要注意
